当院では、入院必要日数をなるべく短縮するための手術方法を心がけております。
一方、十分な入院リハビリを必要とされる患者様には、回復期リハビリテーション病棟での入院リハビリを行っていただけます。また、高齢の患者様には介護サービス部門との連携を行うことにより、スムーズな住宅療養が可能となるよう取り組んでおります。
椎間板ヘルニア
内視鏡を用いた低侵襲手術を行っています。この手術方法では、皮膚切開は2cm弱と従来の手術法に比べ美容面で優れるとともに、筋肉の損傷を最小限にとどめることが出来ますので、ほとんどの患者様は術翌日から歩行可能で、1週間後には退院が可能です。
その他の変性疾患(腰部脊柱管狭窄症、変性すべり症など)
神経の圧迫の程度や骨の状態を詳しく検査し、骨を削るだけの手術(椎弓形成術)や脊椎固定術を行います。
変形性関節症
股関節や膝関節の加齢に伴う関節軟骨の摩耗が著しく、保存的治療を行っても日常生活の支障が大きい患者様に対しては人工関節置換術を行っています。
骨折外傷
手術が必要な各部位の骨折に対する手術でも、なるべく低侵襲な手術を行っています。
整形外科的選択的痙性コントロール手術
(Orthopaedic Selective Spasticity-control surgery: OSSCS)南多摩整形外科病院の松尾隆先生が考案された手術で、肩・肘・手・股・膝・足などの各関節周囲で体を支えるのに必要な短い筋肉は温存し、よりつっぱりの強い長い筋肉を扱うことを基本とし、屈曲・伸展側、内・外側いずれもバランスを考えながら行います。
筋肉の過剰なつっぱりを改善し、ご本人が楽になること、さらには運動機能、疼痛、呼吸や発声、食事動作等も改善する可能性があります。
主に筋肉や腱を扱うため、出血や感染の危険性の少ない低侵襲な手術です。手術後に適切なリハビリを行うことで、更なる効果が得られます。
脳性麻痺
出生後より続く過剰な筋肉のつっぱりが残存すると、両足が交叉するはさみ肢位や股関節脱臼、脊椎の側弯症、膝の屈曲、尖足、肩の引き、肘の屈曲、手指屈曲などを引き起こし、寝返り、お座り、四つ這い、立位、歩行などの運動発達が進まなくなり、痛みの原因にもなります。また大人になると、関節の軟骨が傷む変形性関節症やアテトーゼ型で頚部に不随意運動を認める方は、手指の細かい動作ができなくなったり、歩行障害をきたす頚髄症などの2次的な障害を引き起こしかねません。整形外科手術で過剰なつっぱりを緩めることで、運動機能の改善や疼痛の軽減、2次障害の予防が期待できます。
脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)後遺症
脳卒中後の麻痺は、発症直後よりリハビリに取り組むことで一定の効果が得られますが、手足のつっぱりによる関節変形(尖足、膝の屈曲、肩の引き、肘の屈曲など)や中枢性脳卒中後疼痛と呼ばれる頑固な疼痛が残存する方がいます。整形外科手術により、足の形が改善し装具が不要になったり、肩の引きが改善し体のバランスがよくなり歩行が安定したり、疼痛がほとんど消失する方もおられ大変喜ばれています。